ラジオロジークリニック扇町です。
当院は大阪市北区に位置し、各線梅田駅・大阪駅から徒歩15分の所にあります。高性能なMRIやCTなどの画像診断を行なう『画像診断専門クリニック』です。
以前のブログでMRI室に持込禁止のもの、その理由について書きました。
前回は、主に金属の磁石に引き寄せられる性質(強磁性)についての内容でしたが、では、磁石にくっつかなければ検査に影響がないのでしょうか?
残念ながらそうではありません。
電気を通す性質(導電性)のものも、持込禁止です。今回は導電性が及ぼす影響について、記していきます。
導電性とは?
導電性とはその名の通り、『電気を通す性質』のことです。
金属は基本導電性があり、程度の差はありますが電気をよく通します。
銀・銅・金・アルミニウム・鉄などは特によく電気を通します。金属以外ではカーボン・水も導電性があります。
ただし水は純水では電気を通しません。食塩水のように電気を運ぶイオンがあるものに限られます。人体内部や汗も食塩水の場合と同様に、導電性があります。
金属は基本導電性があり、程度の差はありますが電気をよく通します。
銀・銅・金・アルミニウム・鉄などは特によく電気を通します。金属以外ではカーボン・水も導電性があります。
ただし水は純水では電気を通しません。食塩水のように電気を運ぶイオンがあるものに限られます。人体内部や汗も食塩水の場合と同様に、導電性があります。
導電性があると何が起こる?
MRI検査では画像を得るために、人体にRFパルスという電波をあてたり、磁力の向きや強さを変化させたりしています。その影響で導電性のある物質には電流が発生し、熱が生じます。
人体も導電性があるので、体温が上昇する可能性があります。
そこでMRI検査中は、SAR(比吸収率)という値で安全に検査を行なえるように、電波の量を制限しています。
しかし、導電性の高いものを身に付けていると、その部分の温度が高くなり、火傷などのリスクが生じやすくなります。
磁石にくっつかないからMRI検査で外す必要がない・・・という訳ではないのです。
人体も導電性があるので、体温が上昇する可能性があります。
そこでMRI検査中は、SAR(比吸収率)という値で安全に検査を行なえるように、電波の量を制限しています。
しかし、導電性の高いものを身に付けていると、その部分の温度が高くなり、火傷などのリスクが生じやすくなります。
磁石にくっつかないからMRI検査で外す必要がない・・・という訳ではないのです。
リスクへの対処方法は?
危険がないよう、当院では検査前に検査着へ着替えていただきます。
外せるものは全て外していただきますので、金属とわかるものはお身体に付いていない状態だと思います。手術歴など体内の金属についても、必ずチェックを行ないます。
磁石に付く付かないに関わらず、金属類を取り外すことでリスクを大幅に減らすことが出来ます。
気を付けないといけないのは、金属と気づきにくいもの・金属以外で電気を通すものがあることです。
外せるものは全て外していただきますので、金属とわかるものはお身体に付いていない状態だと思います。手術歴など体内の金属についても、必ずチェックを行ないます。
磁石に付く付かないに関わらず、金属類を取り外すことでリスクを大幅に減らすことが出来ます。
気を付けないといけないのは、金属と気づきにくいもの・金属以外で電気を通すものがあることです。
具体例
金属と気付きにくいものや、金属以外の電気を通すものなど、具体例をご紹介します。
頭部
小さな金具が、塗料などで金属に見えないことがあります。色素に強磁性・導電性がある場合があります。
例)・かつら、ウィッグ
・増毛パウダー、増毛スプレー、白髪隠しのマスカラ(→これらを使用されている場合、当院では検査を行なうことが出来ません。必ず落としてからご来院ください)
例)・かつら、ウィッグ
・増毛パウダー、増毛スプレー、白髪隠しのマスカラ(→これらを使用されている場合、当院では検査を行なうことが出来ません。必ず落としてからご来院ください)
目元
色素に強磁性・導電性がある場合があります。色素が熱で変色する可能性があります。磁石を利用するものは、受け側にも金属成分が使われています。
例)・カラーコンタクト、ディファイン、義眼(マグネット式を含む)
・アイシャドー、アイライナー、マスカラ、つけまつげ(マグネット式を含む)
例)・カラーコンタクト、ディファイン、義眼(マグネット式を含む)
・アイシャドー、アイライナー、マスカラ、つけまつげ(マグネット式を含む)
顔
色素に強磁性・導電性がある場合があります。UVケア・制汗機能は金属イオンが含まれている場合があります。
例)・ファンデーション、チーク、下地クリーム
素材や抗菌コーティングに導電性がある場合があります。
例)・フェイスマスク
美容外科で使用する糸が金属の場合があります。
例)・美容整形術で植え込まれた金糸(該当する場合、当院ではMRI検査を行なうことが出来ません)
例)・ファンデーション、チーク、下地クリーム
素材や抗菌コーティングに導電性がある場合があります。
例)・フェイスマスク
美容外科で使用する糸が金属の場合があります。
例)・美容整形術で植え込まれた金糸(該当する場合、当院ではMRI検査を行なうことが出来ません)
全身
染料に強磁性・導電性がある場合があります。熱で変色する可能性もあります。
例)・入れ墨、タトゥー、アートメイク
UVケア、制汗機能は金属イオンが含まれている場合があります。
例)・制汗スプレー、UVケアクリーム・スプレー
例)・入れ墨、タトゥー、アートメイク
UVケア、制汗機能は金属イオンが含まれている場合があります。
例)・制汗スプレー、UVケアクリーム・スプレー
経皮吸収薬剤
成分に金属イオンが含まれています。
例)・ゲーベンクリーム、アルジサイト銀
貼付薬の支持体等に、アルミやチタンなどの金属が使われている場合があります。
例)・ニトロダーム、ニコチネル、ノルスパンテープ、ニュープロパッチ
体温が上がることで薬剤の吸収率が変化する場合があります。
例)・フェンタニル
例)・ゲーベンクリーム、アルジサイト銀
貼付薬の支持体等に、アルミやチタンなどの金属が使われている場合があります。
例)・ニトロダーム、ニコチネル、ノルスパンテープ、ニュープロパッチ
体温が上がることで薬剤の吸収率が変化する場合があります。
例)・フェンタニル
肌着
小さな金具が塗料などで金属に見えないことがあります。
例)・肩ひもの長さが調整できる下着
機能性下着には、繊維に金属が含まれている場合があります。
金属成分がない場合でも、保温性が高いと発汗を促します。汗は導電性があり、火傷をする可能性があります。体温が上がることで気分が悪くなる場合もあります。
例)・保温下着
・遠赤外線下着
例)・肩ひもの長さが調整できる下着
機能性下着には、繊維に金属が含まれている場合があります。
金属成分がない場合でも、保温性が高いと発汗を促します。汗は導電性があり、火傷をする可能性があります。体温が上がることで気分が悪くなる場合もあります。
例)・保温下着
・遠赤外線下着
インプラント
インプラントとは、欠損あるいは外傷を受けた部位に埋め込むために、人工的に作製した器官・組織の代替物のことです。
手術などで使用される金属にも、強磁性や導電性がある可能性があります。
手術時期、手術内容、部位などで検査可能かどうか確認する必要があります。
MRI検査が可能なものであっても、撮影条件に制限がある場合があります。
手術などで使用される金属にも、強磁性や導電性がある可能性があります。
手術時期、手術内容、部位などで検査可能かどうか確認する必要があります。
MRI検査が可能なものであっても、撮影条件に制限がある場合があります。
最後に
今回は、見落としがちなものについてご紹介いたしました。ほんの一例ですので、まだまだ他にも金属を含むものが沢山あります。
上記に該当する場合や素材が分からない場合、ご自身で大丈夫と判断なさらず、可能な限り取り外して検査を受けてください。それが、患者様の安全につながります。
発熱のリスクにつきましては、撮影方法・撮影範囲などで軽減することも可能です。
取り外すことが難しいものなどがございましたら、事前に当院へご相談ください。
皆様に安心して検査を受けていただくためにも、ご協力の程宜しくお願い致します。
上記に該当する場合や素材が分からない場合、ご自身で大丈夫と判断なさらず、可能な限り取り外して検査を受けてください。それが、患者様の安全につながります。
発熱のリスクにつきましては、撮影方法・撮影範囲などで軽減することも可能です。
取り外すことが難しいものなどがございましたら、事前に当院へご相談ください。
皆様に安心して検査を受けていただくためにも、ご協力の程宜しくお願い致します。