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MRI室へ持込禁止のもの、その理由について(その2)

ラジオロジークリニック扇町です。

当院は大阪市北区に位置し、各線梅田駅・大阪駅から徒歩15分の所にあります。高性能なMRIやCTなどの画像診断を行なう『画像診断専門クリニック』です。

  

以前のブログでMRI室に持込禁止のもの、その理由について書きました。

前回は、主に金属の磁石に引き寄せられる性質(強磁性)についての内容でしたが、では、磁石にくっつかなければ検査に影響がないのでしょうか?

残念ながらそうではありません。

電気を通す性質(導電性)のものも、持込禁止です。今回は導電性が及ぼす影響について、記していきます。

導電性とは?

2019年導入の3テスラMRI(シーメンス製)
導電性とはその名の通り、『電気を通す性質』のことです。
金属は基本導電性があり、程度の差はありますが電気をよく通します。
銀・銅・金・アルミニウム・鉄などは特によく電気を通します。金属以外ではカーボン・水も導電性があります。
ただし水は純水では電気を通しません。食塩水のように電気を運ぶイオンがあるものに限られます。人体内部や汗も食塩水の場合と同様に、導電性があります。

導電性があると何が起こる?

MRI検査では画像を得るために、人体にRFパルスという電波をあてたり、磁力の向きや強さを変化させたりしています。その影響で導電性のある物質には電流が発生し、熱が生じます。
人体も導電性があるので、体温が上昇する可能性があります。
そこでMRI検査中は、SAR(比吸収率)という値で安全に検査を行なえるように、電波の量を制限しています。
しかし、導電性の高いものを身に付けていると、その部分の温度が高くなり、火傷などのリスクが生じやすくなります。

磁石にくっつかないからMRI検査で外す必要がない・・・という訳ではないのです。

リスクへの対処方法は?

危険がないよう、当院では検査前に検査着へ着替えていただきます。
外せるものは全て外していただきますので、金属とわかるものはお身体に付いていない状態だと思います。手術歴など体内の金属についても、必ずチェックを行ないます。
磁石に付く付かないに関わらず、金属類を取り外すことでリスクを大幅に減らすことが出来ます。

気を付けないといけないのは、金属と気づきにくいもの・金属以外で電気を通すものがあることです。

具体例

金属と気付きにくいものや、金属以外の電気を通すものなど、具体例をご紹介します。

頭部

小さな金具が、塗料などで金属に見えないことがあります。色素に強磁性・導電性がある場合があります。

例)・かつら、ウィッグ
  ・増毛パウダー、増毛スプレー、白髪隠しのマスカラ(→これらを使用されている場合、当院では検査を行なうことが出来ません。必ず落としてからご来院ください)

目元

色素に強磁性・導電性がある場合があります。色素が熱で変色する可能性があります。磁石を利用するものは、受け側にも金属成分が使われています。

例)・カラーコンタクト、ディファイン、義眼(マグネット式を含む)
  ・アイシャドー、アイライナー、マスカラ、つけまつげ(マグネット式を含む)

色素に強磁性・導電性がある場合があります。UVケア・制汗機能は金属イオンが含まれている場合があります。
例)・ファンデーション、チーク、下地クリーム

素材や抗菌コーティングに導電性がある場合があります。
例)・フェイスマスク

美容外科で使用する糸が金属の場合があります。
例)・美容整形術で植え込まれた金糸(該当する場合、当院ではMRI検査を行なうことが出来ません)

全身

染料に強磁性・導電性がある場合があります。熱で変色する可能性もあります。
例)・入れ墨、タトゥー、アートメイク

UVケア、制汗機能は金属イオンが含まれている場合があります。
例)・制汗スプレー、UVケアクリーム・スプレー

経皮吸収薬剤

成分に金属イオンが含まれています。
例)・ゲーベンクリーム、アルジサイト銀

貼付薬の支持体等に、アルミやチタンなどの金属が使われている場合があります。
例)・ニトロダーム、ニコチネル、ノルスパンテープ、ニュープロパッチ

体温が上がることで薬剤の吸収率が変化する場合があります。
例)・フェンタニル

肌着

小さな金具が塗料などで金属に見えないことがあります。
例)・肩ひもの長さが調整できる下着

機能性下着には、繊維に金属が含まれている場合があります。
金属成分がない場合でも、保温性が高いと発汗を促します。汗は導電性があり、火傷をする可能性があります。体温が上がることで気分が悪くなる場合もあります。
例)・保温下着
  ・遠赤外線下着

インプラント

インプラントとは、欠損あるいは外傷を受けた部位に埋め込むために、人工的に作製した器官・組織の代替物のことです。
手術などで使用される金属にも、強磁性や導電性がある可能性があります。
手術時期、手術内容、部位などで検査可能かどうか確認する必要があります。
MRI検査が可能なものであっても、撮影条件に制限がある場合があります。

最後に

今回は、見落としがちなものについてご紹介いたしました。ほんの一例ですので、まだまだ他にも金属を含むものが沢山あります。
上記に該当する場合や素材が分からない場合、ご自身で大丈夫と判断なさらず、可能な限り取り外して検査を受けてください。それが、患者様の安全につながります。
発熱のリスクにつきましては、撮影方法・撮影範囲などで軽減することも可能です。

取り外すことが難しいものなどがございましたら、事前に当院へご相談ください。
皆様に安心して検査を受けていただくためにも、ご協力の程宜しくお願い致します。